収束境界とは
収束境界は、2枚のプレートが互いに近づく場所にできます。地球は大きくなっていないので、海嶺でつくられた地殻はどこかで消費されなければなりません。それが起きているのが収束境界です。PB2002モデルでは、約91,900 kmのプレート境界が収束型で、全体のおよそ3分の1にあたります。
境界で何が起こるかは、それぞれのプレートが縁にどんな種類のリソスフェアを載せているかで決まります。海洋リソスフェアは密度が高く、古く冷たくなると簡単に沈みます。大陸リソスフェアは厚くて浮力があり、沈みにくい性質があります。そのため、基本的な組み合わせは3つになります。
収束の3つのタイプ
海洋-海洋型:島弧
2枚の海洋プレートが収束すると、より古く密度の高いほうがもう一方の下に沈みます。沈み込むプレートは深い海溝で下向きに折れ曲がります。深さ100 kmほどまで沈むと、上にある高温のマントルへ水を放出します。水はそのマントル岩石の融点を下げるのでマグマが上昇し、上側のプレートの上に弓なりに連なる火山島の列が成長します。
太平洋プレートがマリアナプレートの下に沈み込むマリアナ海溝には、海面下11 km近くに達する世界の海の最深部があります。PB2002では、この境界に沿った収束速度を年約6.3 cmとしています。さらに南のトンガ海溝では、太平洋プレートがトンガプレートの下へ最大で年約26 cmの速さで潜り込んでおり、これはモデル全体で最も速いプレート運動です。アラスカのアリューシャン列島やカリブ海の小アンティル諸島も島弧の例です。
海洋-大陸型:火山性の山脈
海洋プレートが大陸とぶつかると、必ず海洋プレートのほうが沈み込みます。海溝は沖合のすぐそばにでき、火山弧は大陸そのものの上に成長して、高い火山が連なる山脈をつくります。
その典型がアンデス山脈です。ナスカプレートは約4,300 kmにわたる沈み込み帯に沿って南アメリカプレートの下に沈み込んでおり、PB2002での平均収束速度は年約7.8 cmです。同じ仕組みで、アメリカ合衆国北西部のカスケード山脈もできました。ここでは小さなファンデフカプレートが北アメリカプレートの下に年約4.0 cmで沈み込んでいます。中央アメリカでは、ココスプレートが北アメリカプレートとカリブプレートの下に沈み込み、メキシコ、グアテマラ、ニカラグアの火山にマグマを供給しています。
大陸-大陸型:衝突帯
2つの大陸の間にあった海がすべて沈み込むと、大陸どうしがぶつかります。どちらも深くは沈まないため、地殻は積み重なり、折りたたまれ、厚くなります。その結果、地震は頻繁に起こるものの火山は少ない、高い山々と高原からなる幅広い帯ができます。
インドプレートは数千万年にわたってユーラシアプレートと衝突を続けています。PB2002では両者の境界を横切る平均収束速度を年約4.7 cmとしており、その大部分が大陸衝突に分類されています。この衝突によってヒマラヤ山脈とチベット高原が隆起し、標高8,849 mのエベレストは地球上で最も高い地点となっています。その西では、アラビアプレートがユーラシアに年約3.5 cmで押し込み、イランのザグロス山脈をつくっています。アルプス山脈も、アフリカと小さなプレートがヨーロッパに迫るなかで、同じようにして形成されました。
沈み込み帯の特徴
海溝と付加体
海溝は、沈み込むプレートが下に折れ曲がる線を示しています。沈み込むプレートからはぎ取られた堆積物は、上側のプレートに押しつけられて付加体として積み重なることがあります。付加体は、折りたたまれた泥や砂が成長し続ける積み重なりです。堆積物があまり運ばれてこない場所では、海溝は深く急なまま保たれます。
火山弧
弧状に並ぶ火山は、海溝から一定の距離だけ内側、つまりスラブが水を放出する深さに達した地点の真上に位置しています。そのマグマはシリカとガスに富むため、爆発的に噴火しやすい傾向があります。1980年のセントヘレンズ山や、1991年のフィリピンのピナツボ山は、どちらも火山弧の火山です。世界の火山弧を比べるには火山マップをご覧ください。
背弧海盆
一部の火山弧の背後では、上側のプレートが押し縮められるのではなく、引き伸ばされています。沈み込むスラブが海側へ後退(ロールバック)すると、その上のプレートが火山弧の背後で割れ、小さな拡大海盆が開くことがあります。これを背弧海盆といいます。代表例はマリアナトラフです。PB2002ではその東側の地殻を独立したマリアナプレートとして扱っており、このプレートはフィリピン海プレートから平均で年約3.1 cmの速さで離れています。日本海も数百万年前に同じようにして開き、日本列島をアジア大陸から引き離しました。
和達-ベニオフ帯と深発地震
沈み込むスラブの内部で起こる地震は、スラブがマントルへ入っていく経路をなぞっています。断面図に描くと、それらは傾いた帯状に並び、深さ約700 kmにまで達することがあります。これを和達-ベニオフ帯(ベニオフ帯)といいます。2013年のオホーツク海地震(M8.3)は、オホーツクプレートの下にある太平洋スラブの内部、深さ598 kmで発生しました。観測史上最大級の深発地震のひとつです。
海溝型巨大地震(メガスラスト地震)
2枚のプレートが浅い部分で接している面は、メガスラストと呼ばれる巨大な逆断層です。プレートが動き続けるあいだ、摩擦によって何十年、何百年と固着し、やがて数分のうちに数十mもずれ動くことがあります。これが地球上で最大の地震です。海底を持ち上げたり沈めたりするため、しばしば津波を引き起こします。
1900年以降に起きたマグニチュード9以上の地震は、すべてメガスラスト地震でした。1960年のチリ地震(M9.5)、1964年のアラスカ地震(M9.2)、2004年のスマトラ島沖地震(M9.1)、2011年の東北地方太平洋沖地震(M9.1)、1952年のカムチャツカ地震(M9.0)です。2011年の東北地方太平洋沖地震では日本海溝が破壊されました。PB2002では、ここで太平洋プレートがオホーツクプレートに対して年約8.7 cmで収束しているとしています。詳しくは地震マップをご覧ください。
地図上の収束境界
当サイトの地図では、収束境界はオレンジがかった赤の線で表示されます。その多くは太平洋を取り囲んで環太平洋火山帯を形づくっており、もうひとつの帯が地中海からイラン、ヒマラヤを経てインドネシアまで続いています。ほかのタイプと比べるには、発散境界、トランスフォーム境界、そしてすべてのプレート境界の概要をご覧ください。