位置と範囲
エーゲ海プレートは、エーゲ海の大部分、クレタ島、ペロポネソス半島、そしてギリシャ本土南部の多くを覆う微小プレートです。データセットでは、ギリシャの38%とトルコの約3%がこのプレートの上にあります。地殻は大陸地殻ですが薄く引き伸ばされており、そのためこの地域の多くは島々が点在する浅い海の下にあります。
地質学者がこれを独立したプレートとするのは、GPS観測でエーゲ海南部がひとまとまりのブロックとして南西へ動いており、その速さがユーラシアともアナトリアとも異なるためです。陸上では変形が多くの断層に分散しているため境界の正確な位置ははっきりせず、アナトリアプレートと一体として扱うモデルもあります。
プレート境界で起きていること
南縁はヘレニック海溝で、長さ約1,070 kmの沈み込み帯です。ここでアフリカプレートがこのプレートの下に沈み込んでいます。相対運動は年間約3.8 cmで、このプレートの境界の中で最も速い値です。クレタ島とヘレニック弧の島々は海溝の上に盛り上がり、さらに北では沈み込んだスラブが十分な深さに達して、火山の列にマグマを供給しています。
北側では、ユーラシアプレートとの境界がコリント湾のリフトと北エーゲ舟状海盆を通っており、PB2002での相対運動は年間約3.0 cmです。東側では、プレートはアナトリアから年間約1.5 cmで離れており、この引き伸ばしがトルコ西部の盆地や地溝をつくっています。
沈み込むアフリカのスラブは、沈みながら南へ後退していきます(ロールバック)。これがエーゲ海の地殻を引っ張って引き伸ばしており、この過程を背弧拡大と呼びます。
火山
データセットには、このプレート上の火山が5つ記録されており、すべて南エーゲ海火山弧に属します。メタナ、ミロス島、サントリーニ島、コロンボ、ニシロス島です。サントリーニ島の青銅器時代の噴火は過去数千年で最大級のもので、現在のカルデラを取り巻く環状の島々を残しました。サントリーニ島の北東にある海底火山コロンボは1650年に噴火しました。
地震
1900年以降、このプレートではマグニチュード6.5以上の地震が27回起きています。最大は1903年にギリシャ南方沖で起きたM7.9で、沈み込むスラブの内部、深さ約80 kmで発生しました。1956年のアモルゴス地震(M7.7)は浅い地震として最大のもので、震央はキクラデス諸島のアモルゴス島の南東でした。ほかにも1947年にペロポネソス半島のコロニ付近でM7.3、1948年にカルパトス島付近でM7.3の大地震が起きています。北部では1981年にレスボス島の西でM7.2が発生し、2020年にはサモス島沖のM7.0がサモス島とトルコのイズミルで建物に被害を出しました。